8月3日に小池百合子東京都知事が新型コロナ状況と関連して、「やはり若い世代が多い傾向に変わりはないが、重症者(の増加)を防ぐために、高齢者と一緒に暮らす方々には食事の時間を違えるとか、歯磨き粉を変えるなど工夫をしていただきたい」と
述べたという報道がありました。わたくしが気になったのはその内容よりも「歯磨き粉」ということばです。チューブに入った、あれはもはや「粉」ではありません。「もはや」と言ったのは、わたくしの世代だと、まぎれもない「歯磨き粉」を記憶している人も多いはずで、当時は多分、多くの人が「歯磨き粉」ということばを使っていたと思います。「歯磨き粉」と聞いて、わたくしが即座に思い浮かべたのは「スモカ」の歯磨き粉です。
おそらく、とくに、若い世代の人は「歯磨き粉」ということばに違和感を覚える向きも多いに違いないと思ったのですが、ネット上でも(気づいた限りでは)それが話題になることはなかったようです。それどころか、「【徹底比較】歯磨き粉の最強おすすめ人気ランキング196選【2020年最新版】」といった見出しも多くあり、実際、そのサイトへ行ってみると、あのおなじみのチューブがずらりと並んでいます。
友人たちにも尋ねてみましたが、小池用法をあまり変だとは感じなかった人がほとんどでした。では、わたくし自身はあれをなんと呼んでいるか。「歯磨き」です。辞書を調べると、「練り歯磨き」ということばも出てきました。まさに、「粉」に対する「練りもの」ということでしょう。外来語を使って「歯磨きペースト」というのもありました。発想は「練り歯磨き」と一緒ですね。
さて、みなさんはあれをなんと呼んでいますか。「スーパーで___買ってこなくちゃ」とかの文脈を作って、状況を想像しながら内省して
みてください。
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