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『探検!ことばの世界』と『ことばに魅せられて 対話篇』のこと


拙著『探検!ことばの世界』がひつじ書房版として7刷となりました。NHKの「基礎英語2」のテキストに1994年4月号から2年間にわたって連載したものをもとに1996年にNHK出版版を出し、その後、2004年にひつじ書房版が出ました。連載の執筆時から考えれば30年近くの歳月が経過したことになります


その間、言語研究は長足の進歩を遂げ、30年前にはほとんどおぼろげにしかわかっていなかったことがいまやかなり鮮明な姿を捉えることができるようになっているという事例も数多くあります。そして、ことばの性質を探るための方法の開発も進みました。全体として見れば、ことばの性質を探るという営みがどの程度の射程に光を当てることができるのかということが明確になってきたと言えます。


しかし、『探検!』に書いたことは決して古くさくなることな

く、ことばの世界のおもしろさ、豊かさ、怖さを読者のみなさんに知ってもらうための格好の案内書であると自負しています。


もともとは「基礎英語」のテキストへの連載ということで主な読者層として中学生を想定して書いたものですが、出版当初から大学などの教科書や参考書としてもよく選んでいただきました。また、社会人のみなさんからも熱烈な応援メッセージをたくさんいただいています。



『探検!』の姉妹本として、『ことばに魅せられて 対話篇』(2008年、ひつじ書房)があります。こちらは「動物とことば」「機械とことば」「脳とことば」「バイリンガリズム」「国際共通語としての英語」「ことばの歴史的変化」など、『探検!』よりも一層広い視野からことばの世界を探ります。



『探検!』も、『魅せられて』も早乙女民さんの手になるすてきなイラストや漫画がたくさん添えられています。これらの多くはわたくしが「こういう絵を描いてください」と指定したのではなく、本文を読んで民さん自身が考えて描いてくださったものです。この2冊の成功は民さんの力によるところが大きいことは一目瞭然です。


この機会にぜひご一読いただきたく、ご紹介いたしました。




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