友人の川原繁人さんが『音とことばのふしぎな世界――メイド声から英語の達人まで』 (岩波科学ライブラリー)を出版しました。川原さんはいま公私ともに乗りに乗っている言語学者です。なによりこの本は楽しい。しかし、読み終わってみると、「ああ、いい勉強になった!」と感じさせる。本に書いていることを著者自身がほんとうに理解しているからこそできることです。 https://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/2/0296440.html
版元のウェブサイトにある紹介文です。
「あ」と「い」はどっちが大きい? あるいは、「ゴジラ」と「コシラ」ではどうですか? こんな質問をされたら、あなたはどう答えますか。文字そのものには大小がないはずなのに、音で聴くと母語が何であるかにかかわらず大小を判断するそうです。その他、存在しない音を聴いてしまう脳の機能など、最先端の話題を楽しく紹介します。
ええ、音声学・音韻論についての本ですが、その分野の予備知識は不要。体系的ではないから「概説」書ではないけれど、優れた「入門」書と言えます。この本を読むと音声学・音韻論の研究は研究者の知的欲求を満たすためのものだけではないこともわかります。
著者仲間としてちょっと嫉妬したくなってしまうような、そんな素敵な本です。
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