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美加 五十嵐

あけましておめでとうございます

更新日:2020年3月20日

わたくしが住んでいる地域では穏やかな元日となりました。ことしもどうぞよろしくお願いいたします。

大晦日は例年どおり、若い仲間たちに囲まれて、楽しく、にぎやかに過ごしました。日本酒、ビール、ワイン、ラム酒、梅酒ほか、潤沢にあった酒類(左の写真参照)は驚くほどのペースで消費され、ダイニングテーブルで、台所でと話の輪が広がり、酒をほとんど呑まない連れ合いのことばを借りると、途中から「居酒屋状態」であったということです。 https://www.facebook.com/photo.php?fbid=481516775303147&set=a.135593669895461.25178.100003344855668&type=1&theater&notif_t=like_tagged

さて、明けて2014年、いままで以上にやりたいことがたくさんあります。

まずは、言語の認知科学です。暮に、とある用向きで、以前からの若い(younger)研究者仲間と話をしたのですが、ある人から「大津先生は時代に恵まれてきた」と言われました。生成文法を始めたのが、世界中がその理論的魅力に興奮していた1970年代はじめ。MITへ留学したのが「普遍文法に対する原理とパラメータのアプローチ」と呼ばれるガイドラインが示され、言語獲得に関する研究のみとおしが立てやすかった1970年代後半から1980年代はじめ。日本語の研究にも力を入れ始めた1980年代の後半から1990年代前半にかけては普遍文法研究の中で日本語に対する新たな関心が高かった時代。日本語の受け身文を例として、言語知識とその他の知識との相互作用を獲得の視点から明らかにしようとしたのが、1990年代の後半から2000年代の始めにかけて。この時代は心の全体像の中に言語知識をどう位置づけるかが大問題でした。そういう言われてみると、時代がわたくしの知的関心を呼びこんでくれた感があります。

ところが、2000年代に入ってからは、研究のみとおしがとても立てづらくなった。理由はいろいろあるのですが、生成文法の先導役をずっと務めてきたチョムスキーが「極小主義minimalism」というガイドラインを示したことによって、そのガイドラインの中で言語獲得研究をどう位置づけるかが簡単にはみとおせなくなったことが主たる理由です。これはわたくしだけでなく、みんなの問題で、事実、今世紀に入ってから言語獲得に関する信頼できる入門書はほとんど出版されていません。

そんな混迷の中、昨年、大阪大学医学部の北澤茂さんから声をかけていただき、「こころの時間学」という一大プロジェクトに加えていただくことになりました。 http://mental_time.umin.jp/

このプロジェクトを進めていく過程で、なんとか現在の状態を打破するアイディアを手に入れたいと考えています。

つぎは、言語教育です。とりあえず、暮に発表された「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」に対する、きちんとした対応を考えなくてはなりません。きょうのJapan Timesがこの問題を取り上げています。記事にはわたくしの意見も取り上げられています。 http://www.japantimes.co.jp/news/2013/12/31/national/english-to-get-2020-push-but-teachers-not-on-same-page/#at_pco=tcb-1.0&at_tot=8&at_ab=-&at_pos=1

おもしろいのはこの(ネット版)記事に添えられた、読者からの「コメント」です。わたくしの意見に嫌悪感のようなものを感じた読者もいるようです。まだまだ、わたくしの考えがきちんとは伝わっていないと、もどかしさのようなものも感じます。

近く案内を出しますが、2月1日に、慶應義塾大学三田キャンパスで、「ことばへの気づきワークショップ」を開きます。ここ数年の間に慶應義塾大学大学院社会学研究科教育学専攻に提出された修士論文4編や関連する研究成果を若手研究者に披露してもらい、その結果をどう現実の英語教育に結びつけられるのかを議論したいと思います。

3月21日には発達心理学会の大会(京大)で「早期教育の光と影―英語早期教育は是か非か?」というシンポジウムがあります。 http://www.jsdp.jp/conf2014/paper/program_kikaku_taikai1224.pdf 内田伸子さんの企画で、わたくしも登壇者の1人として参加します。

教育者としては、明海大学の外国語学部と大学院応用言語学研究科での活動を本格化させます。昨年4月以来、いろいろな体験をしました。その中でも、ことしの課題として一番に据えたいのは、学生・院生に自信をつけさせたい。背景には、学生・院生の自信不足があります。思わず、「不足」と書いてしまいましたが、「欠如」としてもよい。

学部生については、明海の外国語学部英米語学科では他のところでは味わえない興奮が味わえることを実感させたい。単にTOEICのスコアを上げるためではなく、ことばの力を、そして、英語の仕組みと働きを理解することで、結果として、TOEICのスコアが上がっていく。その過程で、ものが考えられる若者に育ってほしい。そう強く願っています。

このことに関連して、わたくしに自信を与えてくれたことがあります。担当する「英語学特講」という講義、12月に入ってからの授業でのことです。受講者が自主的に議論を始めたのです。思わず、心の中で「やった!」と叫びました。つぎの週も議論は続きました。できるんですよ。辛抱が必要ですし、適切な助言も必要です。でも、学生ときちんと対峙すれば、必ず、学生の心に変化が起きる。

基本的に、院生も同じことです。日本で唯一の応用言語学研究科であることを誇るのもよし、たくさんの「著名教授」が揃っていることを誇るのもよし。でも、一番大切なのは、院生も含め、研究しようとする心が集まっているということです。

4月からは新しい教員仲間も加わります。若い仲間とチームを組んで、勢いのある(あるいは、戦う)明海大学外国語学部、大学院応用言語学研究科を作り上げていきたいと思います。

最後に、しかし、とても大切なことですが、新しい趣味、島津亜矢のことです。 http://oyukio.blogspot.jp/2013/11/blog-post_12.html

いやあ、すごい!入っているのはMy Heart Will Go On、Sweet Memories、「かもめはかもめ」、「メリー・ジェーン」など16曲。演歌ではありません。

蒲田の町工場の子どもとして生まれたわたくしは「流行歌」だけに囲まれて育ちました。クラッシック音楽の存在は小学校高学年に入ってから音楽の時間にはじめて知りました。世代としては、「ビートルズ世代」なのですが、彼らの曲もYesterdayとか、P.S. I Love Youとか、数曲の、それも題名だけしか、知りません。ジャズも、シャンソンも同じことです。

島津亜矢のファンが運営するブログ(これがまた、結構な数があり、どれも濃い!)を読んでいると、彼女に出会うまでは演歌など興味もなかったが、彼女の歌を聴いて、心を揺さぶられたと書いている人が何人かいます。

わたくしは正反対のケースです。「Singer 2」に入っている曲はほとんど知りませんでした。しかし、彼女の歌を聴いて心を揺さぶられました。

島津亜矢の基本は演歌。ご本人もそれにこだわりをみせています。 http://homepage1.nifty.com/morihome/ayahime/pagefile/kako/kitakara/kitakara_main.htm だから、演歌が衰退気味のいまは亜矢にとっては不幸だという意見もあります。そういう面があるのは事実です。でも、彼女は幸運でもあります。彼女の熱唱は、数多くのカバー曲歌唱も含め、YouTubeにアップされています。以前では考えられないことです。個人事務所の所属で、活動に限りがある状況で、これだけ多くの人に亜矢のこと、亜矢の力を知ってもらえるチャンスはありません。動画をアップし続ける熱心な支持者あってのことですが、この力を存分に利用して、羽ばたいてほしいと思います。

いろいろ書きました。本年もよろしくお願いいたします。

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