新年あけましておめでとうございます。 ことしもよろしくお願いいたします。
わたくしたちの研究室は、昨年もここ数年同様、言語の認知科学の分野でも、言語教育の分野でも活発な活動を展開することができました。
言語の認知科学の分野では、第一言語獲得を中心に、第二言語獲得、統語解析、さらには、言語の脳科学、言語の起源と進化などに関し、さまざまな議論を行いました。とくに、ミニマリズム研究の進展により、言語機能の領域固有性について実質的な議論ができるようになったことは幸いでした。 毎年3月に開催しているTCP(東京言語心理学会議)はことしで11回目になります。Susan CurtissとKen Hiraiwaの両氏を講演者として招待しています。今回は海外を中心にこれまで以上の応募があり、現在、査読とそれにもとづくプログラム作成の段階に入っています。 昨年後半に出版した『はじめて学ぶ言語学—ことばの世界を探る17章』(ミネルヴァ書房)はおかげさまで大変好評で、多くの大学などでの教科書採用が決定しています。
言語教育の分野では、「ことばへの気づき」教育の重要性が広く認識されてきました。昨年12月に開催した言語教育シンポジウムは既報のとおり、多くの熱心な参会者を集め、充実した議論が展開されました。 英語教育改革総合プランの廃止決定を受け、小学校での英語活動も少なからぬ影響を受けることになります。その状況下で、わたくしたちの主張は今まで以上に重要な意味を持ってくるはずです。ことしはPLTのメンバーとともにカリキュラム作成と教材開発も行う予定でいます。 さらに、もともとは小学校英語をきっかけに始めた「ことばへの気づき」運動ですが、言語教育というより広い視野からの検討を進めていく予定です。
ことしもさまざまな企画を立て、実行していくつもりです。逐次、このブログで案内いたしますので、ぜひ積極的にご参加下さい。
みなさまの変らぬご支援をお願いいたします。
10年元旦
大津由紀雄
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