よいお年をお迎えください

最終更新: 3月21日


ことしもいろいろなことがありましたし、いろいろなことをやりました。


何と言っても忘れられないのは、やはり、3.11の大震災です。わたくしたちは東京言語心理学会議の真っ最中でした。3番目の発表者が発表を始めてまもなく最初の揺れがありました。事態を把握できないまま、更なる揺れを体験しました。この時点でも、大学側からの対応指示はなく、参会者には、冷静に振る舞うよう呼びかけ、その後、中庭への避難を指示しました。幸い、大きな混乱はなく、けが人などを出さずにすみました。それまで地震というものを体験したことのない参会者もいましたので、パニック状態に陥っても不思議はなかったのですが、全員が冷静に振る舞ってくれました。


とりあえず、1日目の予定を中止し、2日目に振り替えて、プログラムも用意したのですが、その後、そのような対応が可能な事態ではないことが判明し、最終的には、すべての予定を中止としました。


その後、スタッフと何人かの参会者は会場の建物内にある会議室で一夜を過ごしました。幸い、関係者のご厚意で、なんとか食べ物も確保できました。幸いだったことはまだあります。会場のすぐ近くに公衆電話があり、長い列はできたものの、外部との連絡がとれたこと、有志が2台のノートPCを使って、NHKとフジ(だったと思いますが)の番組をストリーミングしてくれたことで、情報をきちんと手に入れることができたこと、泊まりこんだ会議室がそれなりに「快適」であったことなどです。


その後、ひつじ書房(松本功社長)のご厚意で、Proceedingsを予定どおり刊行でき、招待(予定)講演も含めて、発表(予定)論文を世に送り出すことができました。松本社長は当日も三田に来てくださっており、地震のあと、社屋まで5時間をかけて、徒歩で戻られたということです。



しばらく事情で自制していた海外での活動も、去年の暮から再開しました。香港、北京(左の写真は4月に高教授と一緒にとった写真です)、アムステルダムへ行ってきました。認知科学関連の仕事ですが、香港と北京では小学校英語についての講演も行い、それぞれの地域の状況も見せてもらってきました。来年は夏にオーストラリアへ行く予定です。


英語教育関係では、小学校での英語活動が本格導入されたことを受け、対応策としての教材のアイディアを練りました。予定より遅れていますが、小中高大の先生たちや他の研究者の協力を得て、現在、『ことばノート』という教材を作成中です。当初は来年初頭の出版を予定していたのですが、よりよりものをという著者たちの気持ちから改訂を重ねています。いまのところ、来年の夏から秋にかけて出版できればと考えています。もう少しだけご辛抱ください。


じつは、来年度(2012年4月からの1年間)はわたくしの慶應での最終年度となります。定年を迎えるからですが、もちろん、定年になったからといって、研究活動や教育活動などが終わってしまうということではありません。やりたいことは減るどころか、ますます増えています。今後ともよろしくお願いいたします。


なお、連れ合いの母親が逝去したため、新年のご挨拶は控えさせていただきます。ただ、齢90を越えての、いわば大往生ですので、他の点ではいつもどおりに正月を迎えたいと思います。


よいお年をお迎えください。


大津由紀雄


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