安井稔編注 Rip Van Winkle 開拓社

最終更新: 3月21日

Rip Van Winkleのことを初めて知ったのは、立教中学校の2年生だったころ、中軽井沢にできたばかりの施設「みすず山荘」での食後のスピーチで教頭の露木昶(あきら)先生が「アメリカの浦島太郎」として紹介してくださったときだったと記憶している。尾籠な話で恐縮だが、まだ「便器」といえば、和式便器で、洋式は「洋式便器」と言わなくては通じない時代だった。

そのRVWを安井稔先生のガイドで読むことができる。開拓社刊の安井稔編注 Rip Van Winkleだ。この本、全部で108ページなのだが、そのうち本文は26ページ、残りは安井先生による練習問題と注釈だ。初版が73年で、その後の20年間で6回、刷りを重ねている。Amazonでも「現在お取り扱いできません」となっているこの本、じつは、もう手に入らないものと勝手に決め込んでいた。大学用のテキストなので、古書店でも簡単には手に入らない。それがひょんなことで、版元の川田賢さんに尋ねたところ、まだ300部ほど在庫があるとのこと、さっそく、一部を送っていただいた。わたくしにとっての幻の名テキストとの誉れ高き開拓社版RVWとのはじめての対面である。

このテキストの存在を知ったのはひと月まえほどで、神奈川大学の久保野雅史さんとメールのやり取りをしていた折、久保野さんが筑波大学へ入ったとき、原口庄輔さんの英語の時間にこのテキストが使われ、乱取り稽古をつけてもらったということを聞いたからだ。なるほど、このテキストの注釈を案内人としてきちんと読み進めれば、とてもよい勉強になる。もちろん、執筆時期が70年代初頭であるということは念頭に置いておく必要がある。(いまの学生とはだいぶ異なる)当時の大学生の英語力や生き方・考え方を考慮して書かれたものなので、いま読み返すと、多少の違和感を覚える部分があることは間違いない。しかし、以前の大学生はこういう訓練を経て、英語の力をつけていったのだなあと実感することができる。もちろん、よい指導者のもとであれば、いまの大学生相手の授業にも十分に(十分以上に)使える。

価格は1300円、コーヒー3杯で、安井先生の指導の下、多少、浦島太郎の気分も味わいながら、英語の勉強ができるという、とてもよい話である。先生がたの夏休みの読書にも最適である。

以下、版元情報です。 開拓社 〒113-0023 東京都文京区向丘1丁目5番2号 TEL: 03-5842-8900(代表) FAX: 03-5842-5560 【補足】冒頭に便器の話が出てきたことを唐突にお思いの方も多いだろう。じつは、みすず山荘では和式便器と並んで、当時は珍しかった洋式便器が使われていたのである。キャンプの第一日目、洋式便器の使い方についての(図入り)説明を受けたことをなつかしく思い出す。そう言えば、、比較的最近まで、デパートとか、ホテルのトイレには「洋式便器の使い方」とかいう説明書き(これも図入り)が貼ってあったように思うが、いつのまにか消えてしまった。 【再補足】この書き込みをアップしたところ、どうすればこの本を手に入れることができるのかという問い合わせを何人かの方々からいただいた。上記の電話ないしはファクスを利用して版元に直接注文することもできるし、書店や生協などから注文することもできる。300部残部があるということなので、秋からの、あるいは、来年度の教科書として利用することもできるかもしれない。

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