嶋田珠巳さん主宰の議論型研究会の成功を祝って

最終更新: 3月20日

嶋田珠巳さんはアイルランドを主なフィールドとして活躍する、国際的に著名な言語接触研究者ですが、同時に、優れた教育者でもあります。知的好奇心に目覚めていない学生からその可能性を引き出し、自ら問いを見つけ、その問いに挑戦する力を育成していく姿にはいつも感服させられています。

1月14日(火曜日)からの3日間、全部で21件の研究発表と話題提供がありました。総発表時間は13時間を超えます。嶋田さんはインフルエンザからの回復直後であるにもかかわらず、実に精力的に(学内業務で席を外さなくてはいけなかった1時間を除いて)すべてのセッションに参加し、各発表後の議論を先導していました。そこに彼女の教育者としてのすばらしさを見せつけられた思いがします。

発表者は学部1・2年の授業受講者、3・4年のゼミ生、大学院博士前期課程の院生、同博士後期課程の院生、嶋田研究室の研究員、さらに、教員2名と多様で、発表内容も言語学、英語学、英語教育、方言学、それに嶋田さん自身の研究に触発された言語接触研究など多岐に亘りました。

発表がすべて終わった最終日の最終セッションは修士論文を書き終えようとしている博士前期課程の院生二人による、修士論文の概要報告と後輩たちへの論文作成に関する助言でした。とくに、助言はすばらしく、後輩たちにとって非常に有益だったはずです。

わたくしもほぼすべての発表を聴かせてもらい、たくさん質問やコメントをさせてもらいました。以前は、わたくしの質問を避けたがる学生もいたようですが、段々と、こちらの質問に堂々と答える学生が増えてきました。また、こちらの発表に対し、自分は違った考えであると挑戦する学生も出てきました。そんな学生がごく自然に育っていく嶋田ゼミ・嶋田研究室という環境を築き上げたところにも、嶋田さんの教育者としての力を感じました。

3日間の研究会が終わるころにはわたくしも疲労困憊状態であったのですが、それとは裏腹に学生や院生たちのエネルギーに触発され、知的興奮状態にありました。最後は発表者たちを誘い、学内のレストランでビールを呑みながら(あ、成人メンバーだけですよ、念のため)、楽しいひとときを過ごしました。

その折、学部生たちとくつろいで話すことができたのですが、その一人が「ほかの人の発表を聴くのがこんなにおもしろいことだとは思わなかった」と言い出すと、周りの友人たちが大きくうなずき、もう一人が「いろいろ調べて考え始めると、段々おもしろくなって、止まらなくなってしまった」と生き生きと語り出しました。

大学教育が変貌し始めて、その変貌を嘆く声は多く聴くのですが、嘆いているだけではなにも始まりません。また、学生たちの多くはなにかを「やらされる」と気づくと、拒否反応を示します。それでも卒業したいと思う学生はそれなりに上手に振舞いますが、考える力はつきません。議論型研究会で見たのはそれとは対極にある学生の姿でした。

ご自身の研究(たとえば、新学術領域研究「時間生成学」計画班の班長を務めておいでです)や学内業務に加え、研究と有機的に結びついた教育を実践している嶋田珠巳さんのことを同僚として改めて誇りに思った3日間でした




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