岩波書店から1996年に出してもらった、文法絵本「ことばのからくり(全4冊)」が4月9日に復刊されます。各巻1,890円(税込み)で、箱入りの4冊セットもあります。
「ことばのからくり」は、あいまい表現をとりあげた「ぼくらは赤いうたうさぎ」、うなぎ文をとりあげた「おとうさんはまんねんひつ」、複合名詞をとりあげた「パジャマおばけのおばけパジャマ」、埋め込み文をとりあげた「つかまったのはだれ?」という4冊から成る文法絵本シリーズです。
わたくしが考えた言語素材に、藤枝リュウジさんがすてきな絵を添えてくださっています。《なぜだかわからないけれど、子どもがとても喜ぶのです》といった感想をたくさんの読者からいただきました。
学齢前の子どもからおとなまで楽しめる絵本というのが謳い文句です。子どもも、おとなも、自分たちの中に持っている豊かなことばの世界に気づき、その豊かさを感じとってもらうという試みです。
じつは、この本はわたくしが小学校英語について活動を始める前に企画し、出版されたものです。小学校英語活動が導入される見通しとなったとき、真っ先に頭に浮かんだのは、まず、この「ことばのからくり」を利用して、ことばへの気づきを育み、子どもたちが英語に触れる自然な基盤を作っておくという方法でした。しかし、あいにく、その時点では「ことばのからくり」の一部は品切れ状態となり、入手が困難になっていました。
版元の岩波書店になんとか復刊をして欲しい旨、なんどか要請し、このほど、ようやく復刊の運びとなりました。これで、この本を広く紹介することができます。
今回は一冊ごとに、その本の狙いを述べた数行の文章を添えてあります。また、詳細は追ってご案内しますが、岩波書店のウェッブサイトに特設ページを作ってもらい、そこに「ことばのからくり」の狙いや楽しみ方などのより詳しい解説を掲載する予定です。
この本の最初の企画段階から担当してくださっている、岩波書店編集部の浜門麻美子さんの理解と熱意がなければ、そもそも日の目を見ることがなかったであろう企画です。この機会に心から感謝の意を表したいと思います。
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