新たな気持ちで

最終更新: 3月20日


副学長職にあった期間は、明海大学の学事を代表する立場上、それと直接・間接に関連する英語教育・言語教育についての発言は明海大学の方針を念頭に置きながら、注意深くするよう心がけてきました。また、副学長職はじめ、兼務してきた職はすべて激務を伴うものでしたので、外部に向けての発言を以前と同じようなペースで続ける時間的余裕がなかったことも事実です。

そうこうしているうちに、英語教育・言語教育の世界では(予測したところではありますが)まことに奇妙な流れが形成され、6年前に比べ、事態は全体として悪化していると言わざるを得ません。分けても心配されるのは、そうした流れの中に翻弄されている子どもたちのことです。批判的読解力やそれを支える批判的思考力に欠ける子どもたちが増加しているという、わたくしの見立てが正しければ、子どもたちの将来、日本の将来にとって、まことに憂慮される状況です。

最初に記しましたように、ほとんどの役職から解放されたいま、以前にも増して、いろいろな形での発言を続けようと思います。また、(主に)この20年間に知遇を得た先生がたとも手を取り合って、教育実践につながる活動も強化していこうと思います。

なお、前述の事情から、今後の明海大学・外国語学部・大学院応用言語学研究科・複言語・複文化教育センターの方針はわたくしの考えを直接反映したものではないことをここに明記しておきます。

わたくしの言語教育構想の基盤になっているのは言語の認知科学です。この分野での仕事もこの6年間は最小限のことしかできていませんでしたので、そこでも頑張りたいと思います。ことに極小主義(ミニマリズム)を見据えてからの生成文法のもとでの第一言語獲得と統語解析の研究はもうひとがんばりが欠けていると感じられるので、若い仲間と力を合わせてやっていきたいと思います。 関連して、ここ数年間、休んでいました、東京言語研究所理論言語学講座での講義を再開いたします。 http://www.tokyo-gengo.gr.jp/ 今年度の担当は生成文法Ⅰ(入門)で、水曜日の午後7時から午後8時40分までの100分枠です。また、4月20日(土曜日)、21日(日曜日)の春期講座では、21日の4限(午後3時40分から午後5時まで)の枠で「生成文法への誘い」を担当いたします。

ブログの更新もこの数年間は最小限度でした。その間にSNSが急速に発展・普及し、強力な発信源とできる可能性を持つに至りました。いろいろな可能性を考えてみたいのですが、まずはブログの充実を図りたいと思います。現在、「大津研ブログ」、「明海な大学日誌(旧「明海な外国語学部長日誌」)、「新浦安日記」と三本立てになっているブログを整理し、「大津研ブログ」と「新浦安日記」の二本にします。基本的に、前者は外部向け発信用、後者は内部向け発信用とします。

わたくしが編集に関わった本が二冊近刊予定です。一冊は、


嶋田珠巳・斎藤兆史・大津由紀雄(編著)『言語接触(仮題)』東京大学出版会


です。嶋田さんの前著『英語という選択』(岩波書店)についてのシンポジウム「語り尽そう、『英語という選択』」(2017年3月4日、明海大学にて開催)をもとにした、言語接触に関する論文集で、今後、この分野の標準的文献になると自負しています。

もう一冊は、


大津由紀雄・浦谷淳子・斎藤菊枝(編著)『日本語からはじめる小学校英語—ことばの力を育むためのマニュアル』開拓社


です。混乱が続く小学校英語界にあって、戸惑う先生がたの力になるべく用意されたもので、大津由紀雄・窪薗晴夫『ことばの力を育む』(慶應義塾大学出版会、2008年)の続編と位置づけている実践のための本です。

「2020年4月からはどうするのですか?」という質問をされることも多くなってきました。答えは「熟慮中!」です。あらゆる可能性を排除せず、自分の気持ちに誠実に、楽しく、にぎやかに生きていく最善の方法を見つけたいと考えています。

そうそう、このことと関連して、今年の年頭に「就活中」ですと書いたら、以前の教え子から「まだそんなお歳ではありません。先生にはもうひと頑張りも、ふた頑張りもしてもらわないといけません」という返事を貰いました。「終活」と勘違いされたようです。

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