東京言語研究所では、「公開講座」と銘打ち、理論言語学と関連する領域の研究者をお招きし、最近の研究成果などをその領域の専門家以外の人にもわかりやすくお話ししていただく機会を設けています。
今回は知覚心理学、視覚科学、認知神経科学の領域を牽引する下條信輔さん(カリフォルニア工科大学教授)にお話をしていただきます。
いつもどおり、時間はゆったりと3時間とってあります。たくさんの皆さんのご参加をお待ちしています。
7月4日(日曜日)午前9時30分から午後12時30分まで(オンライン形式)
演題 潜在認知の現代〜情報テクノロジーと認知バイアス
参加費 2000円
申し込み締め切り 6月29日(火曜日)午前10時(すでに締め切りました。たくさんの申し込みをありがとうございました)
詳細は https://www.tokyo-gengo.gr.jp/ を参照してください。
講義要旨
情報テクノロジーによって現代社会は変わった。ここでは認知神経科学の視点から、ヒトのこころと社会制度の間のひずみに目を向け、未来のための洞察を得る。まず最初に原発の安全神話や、コロナ禍の統計を巡る錯誤などの例からヒトの「認知のバイアス」を掘り下げる。
次に最近話題の『反共感論』をとり上げ、マスメディアや政治のポピュリズム、情動的共感の非合理性と危険を指摘する。
最後に現代人の心性を、時間軸上での健忘症化(過去)・近視眼化(未来)、また情報の軸上では情報実体化と、その裏返しのブラックボックス化といった点から特徴づける。ポピュリズム・情動政治やオルタファクト・フェイクなどが、分析の俎上に載せられる。
これらの多様な事例を通して、「逆応用科学(Inverse Translational Science)」
のアプローチを例示する。
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