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美加 五十嵐

梶田優「生成文法の思考法」ウェッブ上に公開

更新日:2020年3月20日

梶田優先生が1977年から1981年までの4年間、『英語青年』(研究社)誌上に連載した「生成文法の思考法」がウェッブ上に公開されました。

梶田優 「生成文法の思考法」  (1977-1981) http://www.gsid.nagoya-u.ac.jp/ohna/papers/kajita/kajita1977-81.html

画像版とテキスト版の両方があります。さらに、2003年に名古屋大学で行われた梶田優先生の講演の書き起こし原稿も公開されています。

「生成文法の思考法」は生成文法研究者にとってだけでなく、言語学一般、科学哲学、認知科学などに関心がある人たちにとっても必読の文献です。ただ、長期にわたる、月刊誌上での連載なので、入手しにくい面もあり、いわば「まぼろしの名著」の感がありました。それを今回、このような形で公開できたのは大名力(おおな・つとむ)・名古屋大学教授の長期にわたる献身的努力の賜物で、大名さんに心からの感謝を表したいと思います。同時に、この公開を了承してくださった著者の梶田優先生にも感謝いたします。

この連載は、同じく梶田優先生が太田朗先生と共著で出版された『文法論Ⅱ(英語学大系第4巻)』(大修館書店)とともに、わたくしにとって研究上の指針を与えてくれた、重要な著作です。1977年から81年までの4年間というと、ちょうど、わたくしのMIT留学の時期に重なります。メールやスキャニングなどの文明の利器がない時代に、海の向こうで毎月掲載される、この連載記事のコピーが父親から送られてくるのを首を長くして待っていたじぶんを思い出します。わたくし自身はこの連載を梶田先生がわたくしのために毎月送ってくださるエールと勝手に考え、気持ちを奮い立たせていました。

35年経ったいま、読み返してみると、いまさらながらに、《なるほど!》と感じる部分がたくさんあります。と同時に、その後の生成文法研究の流れを理解する枠組み形成にも役立つと思いました。

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