慶應義塾大学言語文化研究所の言語学コロキアムの一環として、広島大学の柳瀬陽介さんをお招きし、言語コミュニケーション力についての最近のお考えをご披露していただきます。言語学、言語教育、認知科学など、広い範囲の方々に関心をもっていただける内容のものと思います。以下、このコロキアムの概要をお知らせします。詳細は追って、当ブログに掲載します。
講師 柳瀬陽介(広島大学) 演題 言語コミュニケーション力論の展開(仮) 日時 2009年3月6日金曜日 午前10時から午後6時頃まで(2時間の講義を3コマ予定) 場所 慶應義塾大学三田キャンパス南館地下 参加費 無料(資料代が若干かかるかもしれません) 事前申し込み 不要(予定) ただし、満員になり次第、受付を終了いたします。
柳瀬さんのウェッブサイトは充実しています。今回のお話しと直接関連するだろうと思われることが 「言語コミュニケーション力論の構想」 http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/10/blog-post_01.html 「言語コミュニケーション力の三次元的理解」 http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/ThreeDimentional.html として掲載されています。
また、同趣旨の内容を中学3年生向けに講義されたときに使われたスライドファイルが http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/11/blog-post_18.html から、ワンクリックでご覧になれます。ちなみに、柳瀬さんとは長い間おつきあいいただいていますが、今回の集中コロキアムはこのファイルを拝見して、大いに興味をそそられ、その直後にお願いしました。
以下は、柳瀬さんからいただいた要旨、計画、方法です。
要旨: この講義では、 (a) 言語学・応用言語学で発展してきた言語コミュニケーション力論を概括し、その上で、 (b) 相互作用の過程の説明を拡充した言語コミュニケーション力の三次元的理解を説明し、さらに (c) 相互作用よりも広い概念である社会的な意味での言語コミュニケーション力を考察する試みを紹介します。
計画: 2時間講義を3コマですが、今のところの計画はその合計6時間を1時間ずつに分けて、以下のような順序で講義を進めてゆきたいと思います(多少の変更はあるかもしれません)。上記の(a) に相当するのが (1)、(b) が (2)と(3)、(c) が(4), (5), (6)です。 (1) これまでの言語学・応用言語学での議論とその問題 (2) 言語コミュニケーション力の三次元的理解 (3) 言語のpowerに関するアレント的分析 (4) Mind-Body ProblemとCommunication-Mind Problem:ルーマン的分析(1) (5) 現代社会と言語コミュニケーションの共進化:ルーマン的分析(2) (6) ポストモダン・ポストコロニアル的言語コミュニケーション力論
方法: パワーポイントスライドとレジメによる講義スタイルです。パワーポイントスライドによって、学部三年生程度でもわかるように話の流れを説明し、しかし同時に研究者の方々には深く詳しい論点をレジメで提示できるように準備したいと思います。積極的に質疑応答と討議の時間を取ってそれこそみなさんとコミュニケーションを発展させてゆきたいと思います。
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