進化に関する書籍

最終更新: 3月20日



この3月に言語の起源と進化に関する国際シンポジウムEVOLANGが京都で開催され、大成功を収めたことはみなさんの記憶に新しいことと思います。 言語の起源と進化に対する関心が高まっているのにはさまざまな要因が関与していると考えられますが、その1つに進化学の進展があります。しかし、言語科学の研究者がその詳細を学び取ることは至難のわざで、そこで求められるのが良質の案内書です。

そんな状況の中、立て続けに注目すべき書籍が出版されました。一冊は日本進化学会編『進化学事典』(共立出版、18,000円)、もう一冊はカール・ジンマー(著)長谷川眞理子(日本語版監修)『進化—生命のたどる道』(岩波書店、5,600円)です。


進化について気になることがあるというときには、おそらく、まず、この事典に赴くことになりそうです。

『進化』のほうは対照的です。色刷りの図版が全編にわたって散りばめられていて、見るだけでも楽しい本です。じつは、わたくし、2010年出版の原著(The Tangled Bank: an introduction to evolution, Roberts)の愛読者で、日本語になれば、高校生にも薦めたいなと思っていました。そんな本が岩波書店の目利きの編集者と長谷川眞理子さんの目にとまったのでしょう。幸運なことでした。単なる翻訳書ではなく、日本語版に仕立ててきました。各章末には日本人研究者による、興味深く、情報豊かな「コラム」が付され、巻末には、簡潔ではありますが、「読書案内」もついています。まだ通読したわけではありませんが、読んだ限りで言えば、訳文もひっかかりを感じる箇所はあまりありません。

この本、言語の研究者にとってうれしいのは言語について言及がきちんとなされていることです。もちろん、まだその分野の成果は限定的なので、その扱いも慎重で、量的にもたくさんというわけではありませんが、FOXP2遺伝子のことなど、きちんと書いてあります。

ちょっと早すぎますが、好奇心旺盛な、知り合いの高校生にクリスマス・プレゼントとして買ってあげようかなと思っています。5,600円とちょっと値がはりますが、現物をご覧になれば、《高い!》とはお思いにならないでしょう。お薦めです。

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