top of page
執筆者の写真大津由紀雄

都立高校入試への英語スピーキングテスト導入問題

昨日(2021年12月27日)の午後、都庁で「都立高校入試へのスピーキングテスト導入の中止を求める会」による記者会見が開催されました。わたくしも「応援弁士」として参加してきました。


登壇者は登壇順に、池田真澄さん(新英語教育研究会)、久保野雅史さん(神奈川大学)、石山久男さん(東京都教職員組合)、中山滋樹さん(GDM英語教授法研究会)、大津由紀雄でした。


限られた時間(持ち時間5分~7分)の中で、原理的な話から切実な現状を訴える話まで、それぞれの立場から反対の根拠を話しました。会の終盤で、主催者の一人である柏村みね子さん(新英語教育研究会)から教育現場の窮状を訴える発言があり、心を打たれました。


朝日新聞、読売新聞(当番)、毎日新聞、東京新聞、しんぶん赤旗などの記者さんたちが参加してくれて、登壇者の話の後に活発な質疑応答がありました。散会後も記者さんたちが個別に登壇者と意見を交わしていました。


今回の記者会見にわたくしは文字どおり応援弁士として参加したのですが、それでなくても多忙な先生たちが時間をやり繰りして、それでも世間に訴えたいと切実に思う気持ちが全面に出たよい機会でした。慣れない記者会見という場の設定は大変な時間とエネルギーが必要だったはずです。手作りの、率直に述べれば、いかにも不器用な会でしたが、それだけ、この問題の深刻さが浮かび上がったと言えます。


この反対運動、支援が必要です。まだこの運動自体のサイトが開設されていない状態ですので、とりあえずはこの記事に対するコメントとしてみなさんのご意見をお寄せいただければと思います。また、この記事はFacebookにもリンクを貼っておきますので、そちらの記事へのコメントとしてお書きくださっても結構です。


わたくしが今回、応援弁士を引き受けた理由の一つに、一昨年の12月にこの英語スピーキングテストについての記事を「大津研blog」に掲載し、みなさんに注意を喚起しておきながら、自分自身がきちんとこの事業の以後の推移を点検してこなかったという反省があります。

(末尾にある東京新聞の記事のページは既に削除されています。)


この問題に関する記事をこれからも掲載していきたいと思いますが、今回は、「東京都中学校英語スピーキングテスト問題入門」として、東京都中学校英語スピーキングテストの概要を知るのに役立つサイトなどを紹介します。


東京都教育委員会サイトにある事業概要についてのページ:

「東京都中学校英語スピーキングテスト事業について」


東京都中学校英語スピーキングテスト概要説明図


東京都中学校英語スピーキングテストプレテスト


そして、今回登壇した久保野雅史さんのつぎの論考も有益です。

久保野雅史. 2021.「東京都中学校英語スピーキングテスト事業とは何か---歴史の批判・検証に耐えるだけの記録の蓄積を」辻伸幸ほか編『英語教育の歴史に学び・現在を問い・未来を拓く---江利川春雄教授退職記念論集』渓水社、207-215.


最後に、昨日の記者会見の様子を「速報」の形で掲載してくれた、朝日新聞の山下知子さんの記事は以下でご覧になれます。

閲覧数:512回0件のコメント

最新記事

すべて表示

2つのリユニオン

もちろん偶然だったのですが、10月18日に立教大学英語会の同期会が、そして、翌19日に東京教育大学文学部英文科のクラス会が開催されました。うまく都合がつけられたので、その両方に参加しました。 立教大学英語会の会ですが、「同期会」と書きましたが正確にはわたくしたちの学年と一つ...

Comments


bottom of page