東京言語研究所理論言語学講座のガイダンスが来週の日曜日5月11日に開催されます。 http://www.tokyo-gengo.gr.jp/pdf/2014riron_youkou.pdf
今年度、わたくしは「生成文法Ⅰ(入門)を担当します。時間枠は水曜日の2限(午後7時40分から午後9時10分まで)です。
以下に講義概要を再録します。
— 生成文法に関心はあるが、なにせ敷居が高すぎるという意見をしばしば耳にします。たしかに、生成文法は「ことばをとおしてこころ(mind)の性質を解明する」という目標に向かって、できるだけ明示的な理論構築を行うことによって迫ろうとする試みなので、いきなりジャーナルに掲載されている研究論文を読もうと思ってもうまくいきません。 一方、生成文法の研究論文などで用いられている術語はたくさん知っているものの、その背景にある概念や思考法をまったく理解していない初学者もよく見かけます。 このコースでは、まず、こころの構造と機能の解明を目指す認知科学における生成文法の位置づけについて解説します。この部分をきちんと把握しないで、生成文法を理解することはできません。 つづいて、主に日本語と英語を利用しながら、生成文法の言語分析法を学びます。ここで大切なのは《なぜ、そう考えるのか?》という問いかけを常に忘れずにおくことです。 なお、日本語を用いるのは受講者の多くにとっての母語であり、直感がきくからです。英語を用いるのは受講者の多くにとってもっとも身近な外国語であり、その事実について一定の理解を期待できるとともに、客体化しやすいからです。 —
言語学、心理学、認知科学などの知識は前提としません。上の文章に出てくる「ことば」「こころ」「明示的な理論」「認知科学」「母語」「直感」「客体化」などについてもきちんと説明した上で講義します。
学生、院生、小中高大の先生方、社会人など広い範囲の方々に受講していただきたいと思います。定期的に受講することが可能であるなら、高校生でもかまいません。
なお、ガイダンスのあとに行われる懇親会は講師と自由に話ができる機会ですので、ぜひご参加ください。
お待ちしています。
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