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美加 五十嵐

ゼミ合宿

更新日:2020年3月21日


毎年一日目は講師の先生をお招きし講義を行なっていただくのですが、今年度は大阪大学の藤田一郎先生にお越しいただきました。

藤田先生は現在視覚認知システムについて第一線でご研究されていますが、普段我々が意識することなく行なっている「見る」という行為が成立するためには、どれだけ複雑で多様な条件をクリアしなくてはいけないのか、また視覚システムを支える細胞がどのように配置され、機能しているのかを大変わかりやすくお話してくださいました。

また、まだ手探り状態であるものの、側頭葉のコラム構造には創造性が備わっているかもしれない、という提案があることを伺い、私の専門分野以外の研究で、今後の進展がこれ程気になる分野はなかなかないのではと感じました。

常に全体を見渡し、自分の研究が現在どの段階にいるのかを冷静に意識しながら真実を探求し続けることは、容易なことのようで実際は大変難しいと思います。先生が国内外でご活躍されている理由の一つは、ここにあるのではないかと感じました。

約4時間にわたる講義でしたが、私が最初に読んだ先生のご著書『「見る」とはどういうことか-脳と心の関係を探る-』(2007年、科学同人)と同様、全く飽きることなく、特に、大きな発見に至るまでのエピソードをご紹介いただいた際には、知的興奮の一端を我々も体験できたかのような気持ちになりました。そしてあっという間に夜ご飯の時間がきてしまいました。

合宿にご参加いただけただけでも感激でしたが、夕食後の宴会にも遅い時間までお付き合いいただき、藤田先生の懐の大きさに一同改めて感激しました。 藤田先生、本当にどうもありがとうございました。

なお、藤田先生の新しい本がつい先日出版されました。様々な動物の脳構造が紹介されており、こちらも、最先端の研究内容や研究が進んでいく過程を飽きることなく知ることのできる本です。以下に書籍情報を挙げます。 『脳の風景-「かたち」を読む脳科学-』(2011年、筑摩書房)

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