数多くの優れた研究成果を生み出し続けたMIT言語学科が創設50周年を迎えます。科学の長い歴史における50年はそのごく一部に過ぎませんが、言語の理論的研究の歴史においてこの50年ほど充実した、凝縮された期間は珍しいと言えます。もちろん、こうした評価はどんな視点から状況を捉えるかによってまったく変わったものになります。しかし、この50年間(の一部)を同時代人として体験できたことの幸運に感謝する人は少なくないと思います。
創設50周年を迎え、この週末、MITでは卒業生や関係者が集まって、お祭りが開かれます。「お祭り」と言っても、講演あり、シンポジウムあり、ポスター発表ありという、実質的なもの(a “scientific reunion”)です。 http://ling50.mit.edu/
ほんとうはわたくしも参加したかったのですが、諸般の事情からあきらめざるをえませんでした。慶應の言語文化研究所からは北原久嗣さんとChris Tancrediさんが参加しますので、あとで様子を聞こうと思います。もっとも、こういう時代ですから、動画や静止画像を含め、多くの情報がもたらされるでしょう。
規模も、性質もだいぶ異なりますが、言語文化研究所も来年、創設50周年を迎えます。記念行事も開催予定で、かなりの部分は公開されるはずです。内容や日程が確定しましたら、改めてお知らせします。
そう言えば(と言っては服部四郎先生に叱られそうですが)、東京言語研究所も5年後には創設50周年を迎えます。MIT、慶應の言語文化研究所、東京言語研究所が相前後して、創設50周年を迎えるのは単なる偶然ではないと思います。
「言語学が輝いていた時代」という書名の本が出版されたことがありますが、わたくし自身はいまでも輝き続けていると思っていますし、その輝きをこれからも失わないように、というよりも、もっと輝きを増すように努力するのが今を生きるわたくしたちのやるべきことであるはずです。
Commenti