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11月19日 大名力 名古屋大学教授 特別講義についてのお知らせ
kotoba-edu
2016年9月30日
大津由紀雄研究室主催、一般社団法人ことばの教育後援の特別講義を以下の要領で行います。
大津由紀雄研究室主催、一般社団法人ことばの教育後援の特別講義を以下の要領で行います。
大名力(おおなつとむ) 名古屋大学教授 特別講義
“マジックe”の正体 — 英語の綴りにおける黙字eの働き —
2016年11月19日(土曜日)
明海大学浦安キャンパス2101番教室
13:00 – 14:00 講義1 日英語の母音と子音,音節,リズム,母音の長短
14:00 – 14:15 休憩 (質問用紙回収)
14:15 – 15:15 講義2 英語の発音と綴り字,黙字の働き
15:15 – 15:30 休憩 (質問用紙回収)
15:30 – 16:00 質疑応答(延長の可能性もあり)
参加費無料です。
関心のある学部生・院生、言語学を学んだことがない小中高の国語教員・英語教員を主たる対象とします。国語教員を目指す人や現職の国語教員にもぜひ聞いていただきたいと思います。さらに、実践的な英語運用能力を身につけるためにも有益な内容です。
講義要旨
mat, win, hop に e が付き mate, wine, hope になると母音字の発音が変わることを捉え,このeのことを「マジックe」と呼ぶことがあります。名前は聞いたことはなくても,英語で読み書きする人であれば,すぐに「ああ,あれか」とわかる綴り字上のパターンですが,どうしてeが付くと,前の母音字の発音が変わるのでしょうか。
このeは「サイレントe」とも呼ばれるように,黙字であることが特徴ですが,黙字のeは他にもいろいろなところで使われます。
dance, apple, please, dye, have, goes, singeing, gluey, marine, Anne
読まないのに付いているのはなぜか。詳細に検討してみると,正に読まない文字だから,その位置に置かれていることがわかります。マジックeも,“マジック”の仕掛けを検討してみると,黙字であること以外特別なことはなく,他の文字と同じ規則に従っていることがわかります。
本講義では,まず最初に,基本となる,英語の音節・リズムの特徴,英単語の綴りの母音字の音価決定に関する規則を中心に説明し,それを基に,無意識のうちに理解していても明示的に意識することのあまりない黙字eの働きについて整理してお話しします。
講師紹介
名古屋大学大学院国際開発研究科教授。1989年、東京学芸大学修士課程修了 (教育学修士)。群馬大学社会情報学部講師、名古屋大学大学院国際開発研究科助教授等を経て、現職。
専門は言語学・英語学。著書・論文に『言語研究のための正規表現によるコーパス検索』(単著、ひつじ書房、2012年)、「コーパス研究と学習英文法」(大津由紀雄(編著)『学習英文法を見直したい』、研究社、2012年)、「コーパス利用の落とし穴」(堀正広(編)『これからのコロケーション研究』、ひつじ書房、2012年)『英語の文字・綴り・発音のしくみ』(単著、研究社、2014年)などがある。