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美加 五十嵐

東京言語研究所の春期講座、理論言語学講座、夏期講座

更新日:2020年3月20日


西新宿にある東京言語研究所はまもなく開設50周年を迎える伝統ある研究所ですが、4月からの新年度も多様な講座を準備しています。



【春期講座】

2014年 4月26日(土)、27日(日)

詳細は上記サイトからのリンク先で得ることができます。


春期講座では、2日間で理論言語学を鳥瞰できます。講師は、理論言語学講座担当者をはじめ、各分野を代表する研究者です。わたくしは第1日目に「言語学入門」を担当いたします。


わたくしの講義では言語学に関心を持ちながらも、まだ体系的に学んだ経験のないかたがたを言語学の世界への誘うことを主たる目的 とします。具体的には、

1 言語学の目的 :なんのために言語学をするのか?

2 言語学の領域 :言語学にはどのような研究領域があるのか?


3 言語学の方法 :言語学研究を遂行するにあたって、どのような方法が用いられているのか?

などについて、できるだけわかりやすく、例を挙げながら、解説 します。たとえば、理論言語学講座のさまざまな講義で、「統語 (論 )」とか、「最小対 」とかという用語が使われますが、これまでそのような用語 を耳 にしたことがないかたや、耳 にしたことはあるが、それがなにを指 し、言語学研究においてどのような意味を持つのかなどについてすぐには答えられないというかたにはこの講義の受講をお勧めします。また、東京言語研究所および理論言語学講座についても解説をしますので、 理論言語学講座 をはじめて受講することを検討 しているかたがたもぜひ受講 していただきたいと思います。


【理論言語学講座】

前期:2014年5月12日~7月末(各11回) 後期:2014年9月29日~2015年1月5日(各11回)

詳細は上記サイトからのリンク先で得ることができます。


理論言語学講座では、理論言語学の諸分野で活発に研究を行っている講師陣が講義や演習を担当します。通年課目と半年課目があります。


今年度、わたくしは、水曜日2限(午後7時40分から9時10分まで)に「生成文法Ⅰ(入門)」を担当します。通年課目です。



生成文法に関心はあるが、なにせ敷居が高すぎるという意見をしばしば耳にします。たしかに、生成文法は「ことばをとおしてこころ(mind)の性質を解明する」という目標に向かって、できるだけ明示的な理論構築を行うことによって迫ろうとする試みなので、いきなりジャーナルに掲載されている研究論文を読もうと思ってもうまくいきません。 一方、生成文法の研究論文などで用いられている術語はたくさん知っているものの、その背景にある概念や思考法をまったく理解していない初学者もよく見かけます。


このコースでは、まず、こころの構造と機能の解明を目指す認知科学における生成文法の位置づけについて解説します。この部分をきちんと把握しないで、生成文法を理解することはできません。 つづいて、主に日本語と英語を利用しながら、生成文法の言語分析法を学びます。ここで大切なのは《なぜ、そう考えるのか?》という問いかけを常に忘れずにおくことです。


理性的に考える訓練をする場と受け止めてくださってかまいません。たとえば、別記事に掲げた「[チョムスキー—大津]は、生成文法という新しい文法理論を提唱し、無限の言語資料を基礎にした言語能力(Linguistic Competence)の存在を仮定して、それを脳から生み出す規則性を探ることが言語学の課題であると主張した」(最近出版された本からの引用)を読んで、《なんとなくわかった!》という気分になってしまうのではなにも始まりません。《この文はなにかおかしいぞ》と感じ、《どこが、どうおかしいのかを探ってみよう》と考える習慣、このコースの受講生にはそうした習慣を身につけてもらいたいのです。


【夏期講座】

「教師のためのことばワークショップ」  2014年8月9日(土)10:00-17:30、10日(日)9:00-16:00


講師:基調講演 西山佑司氏(慶應義塾大学名誉教授/東京言語研究所運営委員長)     講義1   内田伸子氏(お茶の水女子大学名誉教授)     講義2   内村直之氏(科学ジャーナリスト・元朝日新聞記者)     講義3   久保野雅史氏(神奈川大学)            末岡敏明氏(東京学芸大学附属小金井中学校) 全体コーディネーター 大津由紀雄氏(明海大学)


昨年1年間、運営委員長、事務局、そして、わたくしとで、これまでの「教師のためのことばワークショップ」を振り返り、その評価を行いました。今年度のワークショップはその結果をもとに新たに構想したものです。


「ことばの教育」の重要性が広く認識されるようになってきましたが、「ことばの教育」とはなにか、どのような内容がどのように展開されるものなのか、そのためには教師の側にどんな力や技が必要なのか、などについてはあまりはっきりとした答えが用意されていません。このワークショップは講師と受講者が一緒にその答えを模索しようという試みです。大いに期待してください。


小中高大の教員(ことば関連の教科担当の先生がただけでなく、さまざまな教科の先生がたをお待ちしています)のみなさん、教員志望の学生・院生のみなさん、ことばの教育に関心を持つみなさん、ぜひご参加ください。






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