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ESAT-Jに関する要望書を都教育庁に提出しました


本日、2022年10月14日午前10時に、中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)に関する要望書を都教育庁に提出しました。左の写真はその手交の模様を写したものです。手交には南風原朝和東京大学名誉教授にもご同行ねがいました。


要望書は浜佳葉子教育長、山口香委員、秋山千枝子委員、北村友人委員、新井紀子委員、宮原京子委員に宛てたものです。


この要望書はつぎの5名が作成、提出したものです。


阿部公彦 (東京大学教授)

鳥飼玖美子 (立教大学名誉教授)

南風原朝和 (東京大学名誉教授)

羽藤由美 (京都工芸繊維大学名誉教授)

大津由紀雄 (慶應義塾大学名誉教授)


要望の内容は「私たちは以下の理由により、令和5年度の都立高校入学者選抜に中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)の結果を使用しないことを要望いたします」です。その理由はつぎの2点です。


1 不公平な入学者選抜が行われる可能性が高いこと

2 円滑な試験運営ができない可能性が高いこと


詳しくは要望書本体をご一読ください。


今回の要望書の提出に至った経緯についても要望書本体に記してありますが、以下に再録いたします。


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都立高校入学者選抜において、例年実施されている学力検査に加えて別日程で今秋実施される予定のESAT-Jについて、多種多様な問題が指摘されていることは既にご承知のことと思います。この要望書は、このままESAT-Jが実施され、その結果が都立高校入学者選抜に使用されることに強い危惧を抱いた大津(言語の認知科学が専門で、言語教育にも深い関心がある)の呼びかけに応じた英文学者で英語教育にも造詣が深い阿部、異文化コミュニケーション学・翻訳通訳学研究者で英語教育に関する多数の著作がある鳥飼、心理統計学の専門家でテスト理論に詳しい南風原、コンピュータ方式のスピーキングテストに関して豊富な知識と経験を持つ羽藤が、合議を重ねた上で作成いたしました。

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英語、言語、認知科学、スピーキングテスト、心理統計学と専門領域が異なる5人がそれぞれの視点から意見を述べあった結果が今回の要望書です。


われわれの行動を含め、ESAT-Jに対するさまざまな反対運動に対して、① ESAT-Jは都教育庁が長期間に亘って検討を重ねてきたものであって、実施直前になっての反対運動はことの混乱を招くだけであるという批判があります。「長期間に亘って検討を重ねてきた」ということは事実であっても、その経過が都公立中学校や都立高校の先生たち、生徒たち、保護者たちに周知されていたとは言い難く、2021年暮れに開催したESAT-J関連の集会の時点では、多くの先生たちはESAT-Jについてまったく、あるいは、ほとんど知らないという状況でした。同じことは、生徒たちや保護者たちにもあてはまります。


もう一つ、② ESAT-Jが実施され、その結果が都立高校の入試に利用されるということで、その準備に励んできた生徒たちの努力を無にするものであるという批判もあります。しかし、その責めを負うべきはわたくしたちではなく、都教育庁および、都教委と協定を結び事業を共同実施している民間試験団体です。ESAT-J実施日までひと月になろうとする現在も、試験監督の確保もおぼつかず、しかも、目を疑うような募集方法をとっている現実を見ていただきたい。要望書の「別紙」にはその募集広告の一部を掲載しました。


2022年10月19日(水曜日)午後1時から都庁の記者会見場で記者会見を開きます。5人そろって会見に臨む予定です。あいにく、記者会見はメディア関係者が対象となっており、それ以外の方々の参加はできません。なお、都の記者クラブの登録メンバーでないメディア関係者は事前に下記の手順で幹事社宛にご連絡いただき、参加登録をしてください。今月の幹事社は日本経済新聞社です。

都庁の代表番号(03-5321-1111)→「記者クラブの幹事社に回して欲しい」→幹事社のボックスの電話番号に転送してもらう


みなさんのご支援をお願いいたします。

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