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「モヤモヤ」感を共有します!

朝日新聞 EduA(エデュア)教育応援メールマガジン【エドマガ】の2022年6月10日号が配信されました。編集長の山下知子さんの文章が掲載されています。ご本人の了解を得て、ここに転載します。


朝日新聞 EduA(エデュア)はこれまでにも東京都の英語スピーキングテスト(ESAT-J)の問題を何度も取り上げてきました。山下さんの「モヤモヤ」感は受験生にも、保護者にも、先生たちにも広く共有されているものと思います。ただ、ことここに及ぶと、「モヤモヤ」感をもっと多くの人に共有してもらい、声を上げることが必要です。


都の対応には「誠意が感じられず」、たただだ「醜く」、「恥さらし」としか言いようがありません。石田かおる・山下組の以下の記事も併せてお読みください。あ、すぐに頭に血が上る方は読まない方がいいと思います。


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不可解な都立高入試「英語テスト」

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◇EduA編集長 山下知子


 モヤモヤが晴れない。来春の入学予定者を対象に、東京都立高校入試で始まる英語スピーキングテストのことだ。

 東京都教育委員会は5月、テストを受験しなかった生徒への対応策を発表した。来年2月に行われる英語の学力検査で、同じ点数を取った同じ高校を受ける生徒たちのスピーキングテストの平均点を算出し、不受験の生徒に加点するといった内容だ。

 つまり、その受験生の力以外のものを合否判定に使うというのだ。

 うーむ。テストとその評価は、その人が身につけた力、成し遂げたことを対象にするのではないのか。他人のスコアを使うのって、「アリ」なの? しかも入試で。

 都教委は5月の都議会文教委員会で、学力検査の結果とスピーキングテストの間に「具体的な相関関係のデータはただ今持っておりません」と答えている。うーむ。ますますうなってしまう。

 モヤモヤが晴れず、学生時代や取材でお世話になった教育学の先生たちに疑問をぶつけてみた。答えは異口同音で「調べたことないけど、他人のスコアを採り入れるなんて聞いたことない」。もしかして、史上初の入試の仕組み?

 慶応大名誉教授の大津由紀雄さんが代表理事を務める一般社団法人「ことばの教育」のブログ( https://ml.asahi.com/c/ao79abvT4f7mpHbN )では、テスト理論が専門の東大名誉教授で、広尾学園中学高校校長の南風原朝和さんの文書を読むことができる。南風原さんは、平均が安定しない点や逆転が容易に起こるとして、「これでは入学者選抜として成り立ちません」と結論付けている。

 また、都立高校英語入試の作問に携わったこともある松井孝志さんは、加点されるスコアによって、スピーキングテストを受けた子が不利になる現象が起きることを自身のツイッターで発信している( https://ml.asahi.com/c/ao79abvT4f7mpHbO )。これが合否のライン上だったら…。

 不受験の生徒は多くないだろう。しかし、どんなに対象者が少なくても、配慮や救済策だとしても、仕組みとしてまずいのではないか?

 皆さん、どう考えますか?


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