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島津亜矢にさらなる飛躍を期待する 

更新日:2020年3月20日



きのう(2014年5月18日)NHK BSプレミアムで「BS日本のうた」が放映されました。およそ90分間のこの番組の後半は「スペシャルステージ」と銘打たれ、2人の歌手の競演となります。この日は、天童よしみと島津亜矢の2人、歌のうまさには定評があり、同じレコード会社に所属する先輩・後輩の関係にあります。


常陸太田市で、4月24日に収録されたもので、数多くの亜矢ファン(「亜矢友」)サイトにはそのときの模様が熱っぽく語られています。亜矢自身もいつも以上に思いを込めた舞台であったようで、そのときの模様を自身のブログでこう語っています。


放映の日が近づくにつれ、亜矢友諸サイトには意気込みの高まりが感じられ、録画の準備も万端に、亜矢(「亜矢姫」)のご登場を待つという風情となりました。


午後7時30分開始のこの番組、8時を15分ほどまわったところで、2人の歌姫の登場となりました。まずは亜矢の「演歌桜」。故郷熊本を出て、歌の道にかける思いを軽快なメロディにのせて歌う。この曲、深みはないが、歌いやすく、好きな曲です。あれっ、ワンコーラスでおしまい!最初のコーラスの後、「田原坂」が挿入され、つぎのコーラスへ移る。ここ、聴きどころなのだ。フルコーラスとは言わないが、ここはねえ、ちょっと出鼻をくじかれた感じがしました。


続いて、天童よしみの「あんたの花道」。ああ、かなり入れ込んできましたね。このところ、時として、往年の圧倒的な存在感を感じられない歌唱を耳にすることもあったのですが、今回は違います。《負けられない!》という意地もなかったわけではないでしょうが、《ここで、自分の力をきちんと出しておきたい》という気持ちが強かったのではないでしょうか。


そのあとも、次々と、すばらしい歌唱が続くのですが、いずれもワンコーラスか、それに準じた形です。2人で15曲歌いましたが、わたくしが構成作家なら、3曲づつでいいから、フルコーラスで歌わせます。ことに、亜矢の「かあちゃん」はワンコーラス半の短縮版ではあまりにも可哀そう。


そうは言うものの、最後に2人で歌った「美しい昔」は圧巻でした。2人で手を握り、顔を見合わせながら、無言のメッセージを送り合う。亜矢は涙を流しましたが、それでも、歌い終わったあとのコメントはきちんとまとめました。それでこそ、プロ。



 この日、亜矢が歌ったのが、「演歌桜」「大器晩成」(星野哲郎版)「無法松の一生(度胸千両入り)」「浪曲子守歌」「ついて来るかい」「山」「瞼の母」(セリフ)「かあちゃん」「美しい昔」。天童が歌ったのが、「あんたの花道」「大器晩成」(仁井谷俊也版)「無法松の一生(度胸千両入り)」「柔」「名月赤城山」「流転」「瞼の母」(歌唱)「一声一代」「美しい昔」。こう比べてみると、男唄が大半のなかで、「かあちゃん」は異色であるし、「ついて来るかい」はど演歌とはあきらかに違います。また、「瞼の母」のセリフ回しは亜矢でこそのものでした。意図されたものかどうかはわかりませんが、亜矢節世界の広さを垣間見ることができます。できれば、「命かれても」に代表される女唄があり、(いずれCD化されることを願っている)New York New Yorkとかの洋楽があったら、もっとよかった。そうなれば、お色直しもあったらよかった。などなど、ないものねだりがつぎつぎと心を過ります。


 つまり、このスペシャルステージをご覧になると、亜矢のすべてがわかるということではありませんが、亜矢のすばらしさを幾ばくか感じ取っていただくことができるのではないかと思います。


 再放送の予定は、


5月24日(土)BSプレミアム 午後0:00~午後1:29 6月 6日(金)BSプレミアム 午後4:30~午後5:59 です。


 島津亜矢は、ことしも、7月に大阪新歌舞伎座で1ヶ月の座長公演を打ちます。さらに、その直後、今度は東京の明治座で5日間の特別公演があります。飛躍を期待したいですね。



【付記】

 このブログで島津亜矢関係の記事を載せるのは3度目ですが、亜矢姫ファンサイトの1つであるWelcome to AYAHIME Landの「亜矢姫あれこれ」で紹介してくださったおかげで、最初の「新たな趣味 島津亜矢」は閲覧数歴代第3位、2回目の「島津亜矢を讃える」もかなりの勢いで閲覧数が増えています。


おいでになった亜矢姫ファンは認知科学だとか、英語教育だとかという、まわりの記事に驚かれるでしょうし、もともとの閲覧者は亜矢関係の記事に目を丸くするでしょう。それもこの世の楽しみの一つとお考えください。


【再付記】


 亜矢の新曲が5月21日に発売になります。「品川心中より お染」という曲です。落語通ならご存知の「品川心中」に題材を得た作品です。以下で、そのプロモーションビデオ(PV)が見られます。


亜矢らしい歌いっぷりです。もちろん、PVでは最後まで明かされていないので、オチの部分がどう表現されているのか、大いに楽しみです。

【再々付記】

 天童よしみとの競演についてはすでに多くのファンサイトが取り上げていますが、番組の構成に関する、上記のわたくしのものとは異なった見解が以下のサイトで示されています。


 「恋する経済」と題されたブログ(じつは、わたくしの愛読ブログの1つです)で、わたくしとほぼ同世代の書き手はこう述べます。


ふつうは2コーラスで、できればフルコーラスで歌ってほしい、歌いたいという常識を破り、すべてを1コーラスでつらぬく大胆かつ冒険的な構成のもと、その1コーラスを力強く優しく切なく歌い上げ、歌いつなぐ2人の歌は、1コーラスどころかひとつひとつの歌が組み合わされた壮大な組曲のようでした。そして、あたかも天童よしみと島津亜矢のそれぞれの決して穏やかではなかった歌手人生、花も嵐も吹きすさぶ荒野をたったひとりでふみわけてきた2人の人生をふりかえる旅のようでもありました。

この記事だけでなく、このかたのブログを読むとすぐわかることはわたくしの印象批評的なコメントよりずっと分析的で、亜矢に対する入れ込みの深さがあることです。それでいて、とても冷静。わたくしには到底まねできません。


 もちろん、どちらの見解が「正解」ということはありませんが、亜矢の、そして、今回は亜矢のだけなく天童の歌の力がこうした興奮を呼ぶところに驚きを覚えます。









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