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理論言語学講座を担当します

東京言語研究所のウェブサイトが更新されました。


残念ですが野矢茂樹さんの夏季集中が中止になったことなどのほかに、理論言語学講座後期の内容も公開されています。(変則的ですが)わたくしは水曜日に「言語学入門」、金曜日に「ことばへの気づき(言語学特殊講義)」の2課目を担当します。後者は新型コロナ状況により前期の講義ができなかった分の埋め合わせの意味があります。ただし、同時開講の他の講義との関係で、内容を変更しました。


いずれも、前提知識なしで、どなたでも受講できます。講義は(おそらく)全面的にオンラインで行うことになると思いますので、これまで受講がむずかしかった地域の方も受講できます。以下に、それぞれの講義の概要を転載しておきます。



19:00 ~ 20:40(100 分)

後期:2020 年 9 月 28 日~ 全 10 回(祝祭日の講義はありません)


水曜日

言語学入門

言語に関連するテーマを多角的に取り上げる

【講義概要】

言語学についての簡単な総説的講義(たとえば、音声学と音韻論はどう違うのか、 統語論とはなにか)に引き続き、言語学に関連するいくつかの話題を取り上げて、 解説します。取り上げる予定の話題は「ことばと認知」「ことばとその運用---とくに、統語解析」「ことばと人工知能」です。このコースの目的は受講者に言語学の おもしろさとその重要性を感じ取ってもらうことにあります。基本的に講義形式をとりますが、できるだけ演習的要素も取り入れたいと思っています。

【前提】

旺盛な知的好奇心。言語学、心理学、認知科学などに関する知識は前提としません。 学部生、院生、研究者、教員、一般社会人など広い範囲の受講者が集まることを希望します。



金曜日

言語学特殊講義

ことばへの気づき(metalinguistic awareness)を考える

研究成果の批判的検討と今後の課題

【講義概要】

わたくしたちは母語の知識を持っており、その知識を使って言語理解や言語産出などの運用を行っています。母語の知識は子どもの成長とともに発達していきますが、並行して、その知識についての気づき(「ことばへの気づき(metalinguistic awareness)」)も発達していきます。 ことばへの気づきとその発達は言語学的関心に留まらず、広く認知科学的にも興味深いテーマであり、さらには、教育との関連においても重要な視点を提供します。 ことばへの気づきとその発達に関する研究は 1980 年代に David T. Hakes や William E. Tunmer らの先導により、多くの研究が誘発され、豊富な成果がもたら されました。ただ、わたくしの見る限り、その後は進展のペースが鈍ってきたように思います。この講義では 1980 年代の研究成果を批判的に検討し、その後の研究の停滞の原因を考え、そして、今後の研究課題について整理するつもりです。

【前提】

旺盛な知的好奇心。言語学、心理学、認知科学などに関する知識は前提としません。 学部生、院生、研究者、教員、一般社会人など広い範囲の受講者が集まることを希望します。


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