本日付の朝日新聞夕刊に「小学校への英語導入に賛成?」というテーマで読者の意見が掲載されています。ネットとメールを利用した調査ですが、回答総数7133、Yes!(つまり、賛成)57%、No!(つまり、反対)43%という結果でした。 この種の調査はいろいろな要因が関与します。とくに、「賛成」「反対」と言っても、それぞれ、さまざまな立場が入り交じっていますから、数字の解釈には慎重になる必要があります。しかし、そのことを考慮に入れても、1年ちょっと前には8割近くの人たちが小学校英語に賛成していたのですから、「変ったなあ!」と思います。 まあ、小学校英語の現状を見れば、不安を感じるのはごく自然と思います。しかし、問題はそういうことではなく、そもそも、小学校で英語を教える必要があるか、ないかという点です。百歩譲って、学校教育における英語教育の目的は「英語が使える日本人」を育成することであるとしても、小学校で英語を教えるということはその目的に資するどころか、まるで逆の効果をもたらします。日本に於ける英語学習は、英語が日常的に使われていない環境でのものですので、英語の仕組みと働きについて、体系立った指導をしないと英語は身につきません。そして、そのためには子どもたちの母語を活用することが重要なのです。 今回の記事の末尾に、わたくしの意見を編集者がまとめたものが載っています。編集者のつけた見出しは「単純な内容 あまり意味ない」となっていますが、わたくしがつけるなら「無味乾燥な内容 まったく意味ない」となるでしょう。 なお、この記事、ネット上でも読むことができます。 https://aspara.asahi.com/column/sayyesno/entry/81IPVvRM7O 理由は分かりませんが、ネット版ではわたくしの意見の見出しは、「意見を正確に表現できる力が大切」となっています。
Say! Yes! No! 小学校英語
更新日:2020年3月21日
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