院生の五十嵐です。
8日、9日の二日間、慶應義塾大学三田キャンパス北館ホールにて、第14回東京言語心理学会議(TCP2013)が開催されました。
今年は、Caterina Donati先生(Sapienza University of Rome)と、酒井弘先生(広島大学)が招待講演者としてお越しくださいました。Donati先生には、関係詞節と同格節補文を用いた統語処理実験の結果をもとに、提案された統語理論の妥当性を検証する試みについてお話をしていただきました。酒井先生には、日本語の敬語表現にみられる人称・数・性の一致操作について、脳科学の観点からの分析を示していただきました。
なお、今年はこれらの招待講演に加えて、Wayne O’Neil先生(MIT)による特別講演がありました。
O’Neil先生には、Phonology(音韻)を「ある要素が発話/省略されるかどうかやある要素がどこで発音されるか」ということまで含めた、より広い概念として捉え直した上で、L1の音韻特性がL2の音韻特性獲得の妨げになるかどうかということについてご講演いただきました。
今回は2日間合わせて12件の口頭発表と4件のポスター発表がありました。例年通りテーマは多岐にわたり、発表時はもちろん、一日目終了後に行われたレセプションにおいても、分野の垣根を越えた活発な議論がなされました。
2日間、わたくしたち院生も、普段はなかなかお会いできない先生・研究者の方々ともお話する機会に恵まれ、大変有意義な時間を過ごさせていただきました。
無事にTCP2013が開催できましたこと、ご講演くださった3名の先生方をはじめ、発表者の皆様、そしてご来場くださった皆様、すべての方に感謝致します。ありがとうございました。
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