東広島市における「グローバルクラス」の開設について
9月に入って間もないころ、東広島市議会議員の重森佳代子さんからメールをいただきました。重森さんとは、それまで面識はありませんでした。
そのメールには、来年4月から東広島市立高美が丘小学校に、イマージョン教育を行う「グローバルクラス」が開設されることが、8月7日の市長定例記者会見で発表されたと記されていました。その後、8月17日の文教厚生委員会で市議会への初めての報告があったそうですが、それまで市議会ではイマージョン教育についての議論はなされていなかったとのことです。
つまり、来年4月から始まる新しい教育の仕組みが、そのわずか8か月前になって初めて公にされたことになります。重森さんは、こうしたあまりにも急な展開に疑問を感じ、わたくしの考えを求めてこられました。
限られた時間の中でのことでしたので、参照できる資料にも限りがありました。もっとも、これはわたくしだけの問題ではなく、市議会議員の方々にとっても同じ状況だったそうです。そのような制限はありましたが、「東広島市における『グローバルクラス』の開設についての所見」(別記事として掲載)と題する文書をまとめ、重森さんにお送りしました。この「所見」は、重森さんを通して、髙垣廣德東広島市長、市場一也東広島市教育長にも手渡されました。
現在、東広島市のウェブサイトには、「グローバルクラス[Global Class]の取り組み」と題するページが設けられ、フライヤーも掲載されています。
そこには、その目的について、
「英語を通したコミュニケーション能力を高めるとともに、自国の文化への理解を深め、他国の文化や考え方を理解し、互いに認め合いながら共に生きる力を身に付けた、グローバル社会で活躍できる人材の育成を図ります」
と記されています。
教育内容については、
「主として次の教科を英語で学びます。【第1学年】音楽、図画工作、体育 ※第2学年以降、段階的に対象教科を拡充します」
とあり、さらに、
「授業は日本人教員と外国人講師(ALT)が連携して行います。英語で理解できるよう、絵や具体物等を使い視覚支援をしますが、理解の状況に応じて日本語で支援します」
と説明されています。
https://www.city.higashihiroshima.lg.jp/soshiki/kyoikuiinkaigakkokyoiku/3/challenge/globalclass.html
また、同じページには、9月25日に「グローバルクラスの保護者説明会」を開催することも掲載されています。説明会はわずか1時間で、次の内容を扱うことになっています。
・グローバルクラス開設の目的及び概要、教育内容、校内体制等について
・今後のスケジュール等について・質疑応答
この件について、重森さんは9月11日の東広島市議会一般質問で取り上げました。その様子は、以下で見ることができます。
ぜひご覧いただきたいと思います。
質疑を通して明らかになったのは、中学校への接続、6年間を見通した教育課程、人員体制など、子どもたちの教育にかかわる重要な制度設計が、現時点でもなお十分に固まっていないということです。
また、答弁からは、このグローバルクラスの設置が、広島大学および広島県教育委員会との強い連携のもとで推し進められていることも窺えます。
ここで、ぜひ強調しておきたいことがあります。わたくしが現在、問題にしているのは、グローバルクラスの設置そのものに賛成か反対かということだけではありません。
それ以前の問題として、子どもたちの6年間の教育にかかわる重大な計画が、十分な情報公開と議論を経ないまま、きわめて短い期間で進められていることに強い懸念を抱いています。
小学校で過ごす6年間は、子どものことば、思考、認知、社会性などの発達にとって、きわめて重要な時期です。まして、複数の教科を英語で学ぶという、通常とは大きく異なる教育を導入するのであれば、その理念や期待される効果だけでなく、教育課程全体の設計、教員・ALTの体制、子どもの理解や発達への影響、日本語による学びとの関係、中学校への接続、そして問題が生じた場合の対応などについて、十分な検討がなされていなければなりません。
そのうえで、保護者、市民、議会に必要な情報を示し、時間をかけて議論することが不可欠です。「よい教育を目指しているのだから、まず始めてみよう」で済ませてよい問題ではありません。教育の対象となるのは、一人ひとりの子どもたちだからです。
わたくしは、今回の計画がどのような経緯で立案され、どのような検討を経て来年4月の開設が決定されたのか、そして、なぜこれほど短い期間で実施に移されようとしているのかについて、東広島市および関係機関から十分な説明がなされることを強く求めます。
まずは、多くの方々にこの事実を知っていただきたいと思います。そして、ぜひそれぞれのお立場から考え、ご意見をお寄せいただければと思います。
開設予定の来年4月まで、すでに時間がありません。
この情報を広く共有していただければ幸いです。




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