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4年生からの「小学校英語教育」(拡充版:13年5月23日)

更新日:2020年3月20日

きのう、あるかたから、「22日に開かれた教育再生実行会議で小学校英語についても議論が行われ、その後、文科大臣がその開始時期について「4年生からを目安」にと語った」という情報をいただきました。ネット上でも「時事ドットコム」がそのことを報じたのを確認の上、昨晩遅く、この下に残した原記事を書き込みました。

情報をくださったかたが「くわしくは、明日の朝刊各紙を見るように」とおっしゃっていたのですが、なるほど、その情報どおり、各紙が報じています。

一度に各紙が揃ってこれだけ取り上げたのは英語活動導入の時にもなく、驚きました。

数日前、こう書きました。「小学校英語を教科化・専科化するという動きが表面化していますが、わたくしにはどうしても理解できないことがあります。それは、教科化・専科化を「格上げ」と捉える考え方です」(http://oyukio.blogspot.jp/2013/05/blog-post_20.html)。

「正式な教科に格上げする」(小学校英語に大きな影響力を持つ組織の会長が公の席で原稿を参照しながらの挨拶の中で語ったことば)という認識を問題にしたものですが、きょうの各紙でも、小学校英語を「正式な教科」にするという表現が使われています。

英語活動は、教科としての英語教育とは質的に異なり、担任による新たな教室文化の創生をめざすものと文科省はずっと説明してきました。そして、小学校の先生がたは、そのガイドラインにしたがい、必死の努力を重ねてきました。いまになって、英語活動は教科化のための仮の姿だったのだと言われたら、どう反応すればよいのでしょうか。

事実、ここ数日、たくさんの、小学校の先生がたからメールやお手紙をいただきました。そのなかの1つをご紹介します。「あれだけ、担任主導を推進しておいて、これで専科として担任以外の例えば、中学校の英語の教員や英語の得意な先生を小学校の教室へ送り込むのだとしたら、今まで私達が模索してきたあれは一体何だったのか、と思わずにいられません。ここで「小学校の学級担任の先生方、もう用済みです!」とあっさり切り捨てられるのであれば、国はこの10年間で、時間的にも労力的にも、随分大きな犠牲と多大な損失を小学校に与えたことになりますよ」。

小学校英語そのものに反対しながらも、英語活動導入が決まってからは、小学校の先生がたを励まし、一緒に考えてきたものとしては、なんともいえない、やるせない気持ちになります。

ただ、「英語活動」「英語教育」「教科化」「専科化」と言っても、一般の人々には、同じく、「小学(校)英語」としか映らないでしょう。また、小学校の先生の中にも、《これで英語活動から解放される》と安どしているかたがいることも事実です(そういうメッセージもいただきました)。とりあえずは、このあたりをわかりやすく解説する必要があるようです。なるべく早くその仕事をしたいと思いますが、ここ数日は本業の講義と実験、それに、講演があるので、少しだけご猶予ください。

【原記事】(13年5月22日) 「時事ドットコム」によると、「下村博文文部科学相は22日の記者会見で、政府の教育再生実行会議が小学校英語教育の低学年化の検討を求める提言素案をまとめたことについて、「(開始学年は)目安として4年生ではないかと思う」と述べた。その上で、現在、5、6年生で週1コマとしている授業時間数の在り方などと併せ、中央教育審議会(文科相の諮問機関)に諮る意向を示した」とあります。 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013052200956 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201305/2013052200928&rel=j&g=soc

この急な動きの裏になにがあるか、慎重に見極める必要があります。

なお、これは政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)の話で、自民党の教育再生実行本部とは別組織です。

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